ブログ BLOG

米粉パンと油について

米粉パンの油の必要性

米粉パンと油は切る事が出来ない存在です。
ですので米粉パンと言うと、油っこいと言うイメージをお持ちの方もいらっしゃるのでは、ないでしょうか?
なぜ米粉パンは油っこいと言われる事があるのでしょうか?
それは、米粉パンと言うものが、以下の性質を持っているからなのです。
・乾燥に弱い
・型ハズレが悪い
・キメが整いにくい

①乾燥に弱い

米粉パンは米を使っている為、高温の熱風が当たると、乾燥してしまい、表面が白くパサパサしたものになってしまいます。
ですので,それを防ぐ為、表面に油を塗る事が一般的なのです。
しかし、表面に油があると、食べた時に、内部に混ぜ込まれているよりも、直接油を感じてしまい、油っこいと感じてしまいます。
その為、米粉パンは、熱風を循環させるようなオーブンではなく、遠赤外線オーブンなどの熱風があまり当たらないものが好まれて使われることがあります。
または、型に入れて、熱風が直接当たらないようにしたり、ベーグルのように先に、茹でたり、蒸したりしたのちに、焼くなどの工夫が必要になります。
我々のお店では、表面に油っぽさを残さないようにするために,蓋つきの型に入れて、蒸し焼きにした後に、蓋を取り、表面をこんがりと焼くようにしています。

②型ハズレが悪い

米粉パンは、サイリウムハスクや増粘剤などの添加物を入れない場合、生地はスポンジケーキ生地のようにトロトロとしたものになります。
その為、型に直接流し込んだ場合、型と接触する面積が広くなり、焼いた時に型に張り付いてしまいます。
それを防止する為に、型の表面に油を塗り、型ハズレをよくしているものがあり、これにより表面が油っこくなってしまうのです。
パンの表面が揚げパンのように、パリパリとしていたら、型ハズレの為に油を塗っているという事がわかります。

油を塗らずに型ハズレをよくするにはどうしたらいいのでしょうか?
まず、一般的なのは、クッキングシートを使う事です。これを使えば油は使わずに、型ハズレもしっかり出来ます。
我々のお店もこちらの方法を使っています。
繰り返し使えるクッキングシートと言うものもあるのですが、我々のパンでは使えませんでした。
張り付かないように特殊な加工がされているのですが、それが酵母の発酵と合わず、パンの表面が、ボコボコの気泡だらけになってしまいました。
あとは、型ハズレの良い型を使うと言う事ですが、シリコンやフッ素加工のものでも若干くっついてしまうので、なかなかいい型に巡り合ったことはないです。
ガラスの型もありますが、熱伝導が悪く、なかなか焼けないのが難点です。

③食感及びキメの改善

小麦のパンでは、パンに油を入れないと気泡が大きく、食感もギュッとしたフランスパンのようなものなります。
これは米のパンでも同じで、気泡が大きくなり、食感もギュッとしたものになります。
これはこれで、フランスパンの様なものが好きな人には良いのかもしれませんが、通常のキメの細かい食パンにするには油は欠かす事が出来ません。
我々のお店では、どこまで減らしても問題ないかを研究し、油の量を最小量になるようにしています。
油なしで、通常のパンが焼けないかを、日々研究していますが、まだ先は見えていないのが現状です。

さていかがでしょうか?
米粉パンに油は必要なものである事がお分かり頂けましたでしょうか?
しかしながら、普段から米粉パンを食べたいと言う、私のような人は、少しでもヘルシーなものを食べたいと思っているのではないでしょうか?
我々のお店では、油が苦手な私が、極限まで油を減らした米パンを作っています。ぜひ、こだわりの米から作るヘルシーな米パンをお正味ください。